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鍛冶屋生活ONとOFF

-刀鍛冶のモダンライフを書き綴る-

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夢のコラボレーションアイアン 三浦勝弘X高見國一 

“神の手”と称される三浦技研の会長 三浦勝弘氏(現会長)と私のコラボレーションによるアイアン(ウェッジ)が完成しました。

数年前「たたらのふるさと西播磨」と言う冊子の発行にあたりお世話になった方が
西播磨県民局から中播磨県民局へ異動になられたとの連絡を頂き寂しく思っておりました。
取材を通じ、私の思いや考えを理解して下さる方でした。

その方から昨年の春頃お電話をいただきました。

兵庫県市川町の市川町商工会が「JAPAN GOLF FAIR 2013」に出展するにあたり、
同町をPRできるような目玉と企画が出来ないだろうかとのご相談でした。

そこで始まったのが「日本刀の伝統技術と市川アイアンの融合」でした。

MIURA GIKEN wedge_made from Tamahagane forged by me

日本国産のアイアンヘッドは、昭和5年に兵庫県市川町の鍛冶工 森田清太郎氏がによって製作されました。
市川町には、現在もなおゴルフ用品製造関連企業が10数社あります。

市川アイアンは、古代から伝わる「刀鍛冶」の技術に由来する「鍛造製法」を特徴としています。
また、日本刀は、古代たたら製法でつくられた「玉鋼(和鋼)」を原料とし、それを刀工の手により折り返し鍛錬をすることで幾重もの層が鍛え肌となり鋼材としての強度や、炭素量の調節などをし刀工の求める鋼を作り上げます。

鍛造を特徴とする市川アイアンを「玉鋼」を材料とした鍛鉄で製作し、市川アイアンの技術と刀工の技術を融合し形にすると言う企画。
心弾む思いで、ご協力させていただくことにしました。

MIURA GIKEN wedge_made from Tamahagane forged by me2

玉鋼の炭素量や鍛錬回数などを変えた鍛鉄を私が提供し、三浦技研さんが実際にアイアンを作り、試打ちをし繰り返し玉鋼の材質や鍛錬の仕方、回数を決定しました。

newspaper article_Miura Giken wedge

今回、三浦技研会長の三浦勝弘氏と共に仕事をし感じたことは、私と同じ職人であること、そして私の親方と同じ匂いがしました。

完成したアイアンを初めて目にしたとき、鍛え肌が大変美しく現れ存在感に圧倒されました。
黒色が締まってさらにシャープに。フォルムは洗練された究極の美しさでした。

まさに日本刀と同じく用の美ですから、使っても切れ味は素晴らしいはずです。
試行錯誤を繰り返し、ついに世界に一つしかないアイアンが完成しました。
お互いの思いが一つの形になりました。

三浦勝弘氏が紹介されていますので、ご参考までに。
http://www.youtube.com/watch?v=QompvSjwVPA

実は、私は数年前から嗜む程度にゴルフをやっています。
「刀鍛冶がゴルフなんて!」と私を知る方やブログをご覧下さっている方で、がっかりされる方もいらっしゃるかも知れませんが(笑)、いや嫌われてしまうかも知れませんが、きっかけは妻の職場の同僚の研究者からのお誘いでした。
私の住む地域は田舎で、ゴルフ場が多く大変リーズナブルにゴルフを楽しむ事ができます。
都会でお酒を飲むよりずっと健康的なのではと妻も賛成してくれたこともあり、年に数回ご一緒させていただいています。

普段、誰とも話さず一人で仕事場にこもっている事が多い私には、たまには他の分野の方々と様々な話をしながら、美しい自然の中気持ちの良い空気を吸いプレイするのは息抜きになります。
また、一緒にプレイする方々のお話を聞く事も勉強になります。

ですから、今回の企画は私自身にとっても、作ってみたいアイアンでした。
何となく抱いていた淡い夢が実現したことは、何よりも嬉しい事です。

三浦会長が完成を間近に控えたある日、私の鍛刀場にお越しになられました。
その際、私が鍛えた玉鋼を使用し製作下さったアイアンをプレゼントして下さいました。
ご自身の刻印が入った特別なものです。
言葉はなくとも、私を職人として認めて下さっていることが伝わり胸がじんとしました。

三浦氏と何度もお会いし感じたこと。
それは、「アイアンは単なる道具ではなく、プロゴルファーにとって『刀』」である」と言う事です。

■お問い合わせ■
市川町商工会:0790-26-0099

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