守り刀製作~想いをかたちに~ No.1
Posted on 2012.09.26 Wed 19:31:49 edit
ご依頼主様が大切に保管されていました古鉄を、お守り刀として新たな命を吹き込むお手伝いをさせいただきました。
こちらの古鉄は、ご依頼主様のお屋敷の門に使われていた建築金具の一部である蝶番(ちょうつがい)です。
300年程続く旧家で、お屋敷をリフォームするされる際、重機が入らなかったため
仕方なく門を解体されたそうです。
その時に出た蝶番を大切に家宝として保管されていました。
This order was to create a sword from old hinges used for the gate the customer had kept them as family treasures or I would rather say “family memory” for long time.
According to the customer, when he renovated his 300 year old house, unfortunately the heavy machine didn’t enter through the gate. Thus finally he decided to break the gate for its renovation.

鑪製鉄から出来た古鉄(鋼、銑、鉄)は、それぞれの持ち味を見極め卸鉄の材料として
使用する事が出来ます。
この蝶番も古鉄であり、真ん中の所で鍛接をして作られていました。
昔の人は本当に上手な仕事をしていると関心しました。

このままの状態では卸鉄をすることができませんので、
赤めて薄く長く叩いて延ばして行きます。
重ねは3ミリ程になるように全体に厚みを揃えます。
To create Oroshigane steels from these hinges, first of all I heated them and make them flat (about to 3 mm thickness) like the photo above.

薄く延ばし終わると次は裁断していきます。
長さは2センチ程になるように、鉄を持つ左手を動かしながら切っていきます。
Secondly, I cut this flatted hinges into small pieces(about 2cm length).
And then preparation was done for Oroshigane making.

小さい鉄が一つずつしか切れないので、時間は掛かります。
裁断した鉄がたまって来ると重さも感じるようになり、卸鉄のイメージも湧いてきます。
裁断は軟らかく粘りもあり、切り口も綺麗です。

卸鉄の準備が整いました。
今回は、ご依頼主様と一緒に卸鉄をしました。
初めての経験ですので、とても楽しみに鍛刀場にお越し下さいました。
私はいつも通りですが、やはり緊張しました。
The customer visited my workshop and we started to create Oroshigane steels together.

火を入れ、卸鉄を始めました。
鉄を入れ、炭を入れ、温度が上がり炎の色も変わります。
鉄の溶ける音や、鉄の華を観察され、じっと見つめておられました。

卸鉄も終盤の写真です。
鉄も入れ終わり、鉄が下りるのを待っている所です。

風を止めたところです。
炉の中の卸鉄がクックッやシィーと音を立てています。
一回目の卸鉄が終わりました。

一回目が終わると、二回目の卸鉄に入りました。
鉄が溶ける音、真っ赤な炎を見つめながら、生まれると言う事をお話下さいました。
とても人間味のある真面目な話は面白く、とても勉強になりました。
In the furnace, I heard Oroshigane steels breathing like a creature.
He said, “My hinges are reborn”.

卸鉄が終わりました。
炭を取り除き、卸鉄を取り出す前の写真です。
この後、玉バシで卸鉄を取り出し水の中で急冷します。

今回出来た卸鉄です。
強そうな良い形の卸鉄が出来ました。
この鋼のみを使い守り刀の制作に入ります。
Oroshigane steels were successfully created.
As the customer said, my responsibility is to breath new life to old hinges and make them “ reborn” into a sword.
Only using these Oroshigane steels, I create a family treasure sword for him.
こちらの古鉄は、ご依頼主様のお屋敷の門に使われていた建築金具の一部である蝶番(ちょうつがい)です。
300年程続く旧家で、お屋敷をリフォームするされる際、重機が入らなかったため
仕方なく門を解体されたそうです。
その時に出た蝶番を大切に家宝として保管されていました。
This order was to create a sword from old hinges used for the gate the customer had kept them as family treasures or I would rather say “family memory” for long time.
According to the customer, when he renovated his 300 year old house, unfortunately the heavy machine didn’t enter through the gate. Thus finally he decided to break the gate for its renovation.

鑪製鉄から出来た古鉄(鋼、銑、鉄)は、それぞれの持ち味を見極め卸鉄の材料として
使用する事が出来ます。
この蝶番も古鉄であり、真ん中の所で鍛接をして作られていました。
昔の人は本当に上手な仕事をしていると関心しました。

このままの状態では卸鉄をすることができませんので、
赤めて薄く長く叩いて延ばして行きます。
重ねは3ミリ程になるように全体に厚みを揃えます。
To create Oroshigane steels from these hinges, first of all I heated them and make them flat (about to 3 mm thickness) like the photo above.

薄く延ばし終わると次は裁断していきます。
長さは2センチ程になるように、鉄を持つ左手を動かしながら切っていきます。
Secondly, I cut this flatted hinges into small pieces(about 2cm length).
And then preparation was done for Oroshigane making.

小さい鉄が一つずつしか切れないので、時間は掛かります。
裁断した鉄がたまって来ると重さも感じるようになり、卸鉄のイメージも湧いてきます。
裁断は軟らかく粘りもあり、切り口も綺麗です。

卸鉄の準備が整いました。
今回は、ご依頼主様と一緒に卸鉄をしました。
初めての経験ですので、とても楽しみに鍛刀場にお越し下さいました。
私はいつも通りですが、やはり緊張しました。
The customer visited my workshop and we started to create Oroshigane steels together.

火を入れ、卸鉄を始めました。
鉄を入れ、炭を入れ、温度が上がり炎の色も変わります。
鉄の溶ける音や、鉄の華を観察され、じっと見つめておられました。

卸鉄も終盤の写真です。
鉄も入れ終わり、鉄が下りるのを待っている所です。

風を止めたところです。
炉の中の卸鉄がクックッやシィーと音を立てています。
一回目の卸鉄が終わりました。

一回目が終わると、二回目の卸鉄に入りました。
鉄が溶ける音、真っ赤な炎を見つめながら、生まれると言う事をお話下さいました。
とても人間味のある真面目な話は面白く、とても勉強になりました。
In the furnace, I heard Oroshigane steels breathing like a creature.
He said, “My hinges are reborn”.

卸鉄が終わりました。
炭を取り除き、卸鉄を取り出す前の写真です。
この後、玉バシで卸鉄を取り出し水の中で急冷します。

今回出来た卸鉄です。
強そうな良い形の卸鉄が出来ました。
この鋼のみを使い守り刀の制作に入ります。
Oroshigane steels were successfully created.
As the customer said, my responsibility is to breath new life to old hinges and make them “ reborn” into a sword.
Only using these Oroshigane steels, I create a family treasure sword for him.
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コメント
蔵の部品かな?
古い蔵の部品かなにかでしょうか?今後このような材料が無くなってしまうと、どうなちゃうか。
今の内集めるだけ集めて、必要な職人さんの手元に行くことを願っています!!
和鉄は見れば判るものなのでしょうか?興味しんしんです。
命が宿る
ご無沙汰しております。この鉄はどうも蔵の扉の蝶番なのでしょうか。
このまま置けばただの鉄くずでも刀になれば立派な作品になりますから
とてもいいことだと思います。
いつも高見さんの作品を見ていると欲しい気持ちに駆られるのですがとても手が出ませんので今はブログの写真から拝借しパソコンの待ち受け画面にしております。
完成が楽しみですね
Re: 蔵の部品かな?
橘屋様その通りです。
古い蔵や門に使われている蝶番です。
私は古鉄を集めていますが、このような材料は確実に減っています。
古鉄から日本刀を作る技術も大切ですので、
今のうちに古鉄を少しでも手元に残るようにしたいです。
蝶番のような大きな物でしたら見れば判ります。
見て判らないものは、表面を削り地肌を見たり、
グラインダーで火花を見る事により判別できます。
興味を持っていただき嬉しいです。
Re: 命が宿る
ひろし様ご無沙汰しております。
この鉄ですが、古い蔵や門に使用されていた蝶番です、
大正解です!見るだけで判りましたか(笑)
今回は、御依頼主様の家に使われていた古鉄を使い守り刀を造りますので、
想いは一段と深いです。
私も刀鍛冶冥利につきます。
仕事は順調に進んでおりますので、楽しみにしていて下さい。
パソコンの待ち受け画面にして下さり嬉しいです。
どの作品ですか(笑)
はい楽しみにしております
おはようございます!やはりそうでしたか。
写真の許可ありがとうございます。
幾つも写真があるのだと思いますが最初に見た平成19年の物を使わせていただいています。
できれば写真だけでもコレクションを作りたいのでブログチェクをしてみたいのですが・・・
今はありませんが父方の祖父は戦争中刀剣のブローカーのようなものをやっていたらしく父の実家には多くの刀があったそうです。
今なら1振り貰いたいぐらいです。
そういえば子供の頃祖父の実家に行くと関東大震災で倒壊した2つの蔵の蝶番が庭の隅に瓦や柱とともに放置されていましたがこの記事を拝見してもったいないって思っているところです。
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