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鍛冶屋生活ONとOFF

-刀鍛冶のモダンライフを書き綴る-

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お守り刀~出産のお祝いとして~ 

昨年の春、出産のお祝いとしてお守り刀を納めさせていただきました。
ご依頼をお受けした時は、まだ男の子か女の子かわかりませんでしたので、ご依頼主様と性別がわかる日を楽しみにしながら製作していきました。

ご依頼主様は、ご先祖様が薩摩方として西南戦争に参戦されたこともあり、特に生まれてくるお子様には、かつての武士達の誇りを忘れず、強きには決して挫けず弱きには優しい人間であって欲しいと言う願いを込め、またお子様の守り刀であり生涯の宝として渡したいと、私に思いを話して下さいました。

tanto for a baby gift for the customers daughter1

遠方にもかかわらず、鍛刀場にもお越し下さり、ご依頼主様とお話させていただく時間の中で、純粋で実直な方である印象を受けました。
ご自身のお仕事についても、興味深いお話を沢山聞かせていただきました。
そして、今の自分があるのは、ご両親そして今まで生きてきた多くの方々のお蔭だと言うことなど。
お話を伺いながら、日本の未来は明るいと感じました。

tanto for a baby gift for the customers daughter2

私もイメージを膨らませ、作刀に入りました。
お守り刀は、ご依頼主様の想いはもちろんのこと、ご依頼主様の生き方を映すような作品にしたいと考えました。

tanto for a baby gift for the customers daughter3

イメージ通りの仕上がりになりました。

tanto for a baby gift for the customers daughter4

研ぎ:井上聡氏
鞘:森井敦央氏
ハバキ:中田晃司氏


tanto for a baby gift for the customers daughter5


短刀が研ぎ上がった頃には、お子さんが女の子であるとお知らせいただきました。
自分の事のように嬉しく思いました。


tanto for a baby gift for the customers daughter6


箱書きはいつも緊張します。
日の良い午前中に心を込めて書きました。


tanto for a baby gift for the customers daughter7


お守り刀を納めさせていただいた時、お勤めされている大学の研究室にもお伺いしました。
学生の方々にもお会いでき刺激的な時間でした。

後日、ご依頼主様から下記の様な内容のお手紙を頂戴し、お言葉の一つ一つが心に響きました。

「ITを駆使して研究を進めている日常の中で感じるのは人の感性の重要性であること。
精度を上げて、上げて行きつくところが『人』であると思うと、感性を磨くと言う事が修行であり教育であるように思えると言うこと。分野は異なるが、近い志向を持つものとして今後もお付き合いいだきたい。」

日本の将来を担って行かれる素晴らしい方との出会いに心から感謝します。

お嬢様の健やかな成長を願い、近い将来お会いできる日を楽しみにしています。





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