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鍛冶屋生活ONとOFF

-刀鍛冶のモダンライフを書き綴る-

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お守り刀を納める No.2 ~喜寿のお祝いとして~  

銘切りをしました。

銘切りは、やはりいつも緊張します。
ご依頼主様の想いをしっかり受け止め、茎(なかご)にその思いを刻み込まなければなりません。


omamori gatana_1


寸延短刀(小脇差)

長さ 34.4 cm
反り 0.25 cm

表 播磨国住人 
  高見國一作之


omamori gatana_2


裏 清浄明潔
  平成癸巳年 春光

ご依頼主様のお父様のお名前である『明』と、健康祈願の想いからこの言葉を選ばれました。
季語は、春の光が差し込み、晴々しい喜寿のお祝いをイメージし私が選びました。
  

omamori gatana_kagoshima


上記の画像は、m2photoの宮田昌彦さんに撮影いただきました。
クリックし、拡大してご覧下さい。


ご依頼主様が遠方でお住まいであったため、お納めさせていただく日までお会いすることなくお電話やメールでやりとりしながら、作刀を進めていきました。
この様なことは初めてでしたので、ご依頼主様の描かれるイメージに合っているだろうか等々、お守り刀をご覧いただくまで心配でした。

鹿児島までお守り刀を納めに行くことを決めたのも、やはりお会いしお顔を拝見して手渡ししたいと言う強い思いがありました。

お会いするまで、お声の感じからお若い方かなと想像していましたが、その通りでした。
ご年齢をお伺いすると30歳との事でした。

ご依頼主様はお父様がご高齢でのお子様であったため、大学をご卒業されるまで、ご両親が大変な思いで育てて下さった感謝の想いを、喜寿のお祝いの際に、お父様がお好きな刀を贈り感謝の気持ちを伝え、少しでも恩返ししたかったからと私に話して下さいました。

私が30歳のときの事を思い考えた時、親への感謝の気持ちはありましたが、ここまでの深さはありませんでした。年齢に関係なく、素晴らしい人とお会いできて本当に良かったです。
又、偶然とは言え、ご依頼主様と私が同じ誕生日でお父様とも一日違いという信じられないような偶然も重なり、本当に不思議なご縁を感じました。
今回のお守り刀は、平成を生きる刀鍛冶としてご依頼主様の心を形にすることが出来たと思います。

これからも末永いお付き合いをしていきたいと願っています。

タグ: 守り刀  お守り刀   
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