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鍛冶屋生活ONとOFF

-刀鍛冶のモダンライフを書き綴る-

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守り刀を納める 

短刀と拵えが完成し、無事にお納めする事が出来ました。


tanto_with koshirae



koshirae_omamorigata.jpg


平成22年、私が水害を乗り越え新作刀展に於いて最高賞を受賞した時に、NHKの取材がありました。
全国放送でしたので、関東で放送を見たご依頼主様は、NHKを始め色々な所に電話を掛け、何日も掛かりながらようやく私にたどり着かれました。
初めてお電話頂いた時の事は今でも鮮明に覚えています。


engraved singature_tanto1

守り刀のご依頼を受けましたが、ご依頼主様のお住いが兵庫には遠くお会いする事が出来なかったので、その後は電話と手紙で資料などをお送りし、刀のイメージや拵えのイメージを二人で考え詰めて行きました。

engraved signature_tanto2

話を詰めていく中で、ご依頼主様から、ゆくゆくはお孫さんの(女の子)守り刀にしたいと話が出ましたので、刀の種別、拵えのイメージも固まり、製作に取り掛かりました。
完成までに一年半を要しましたが納得のいく素敵な作品に仕上がりました。
茎(なかご)の銘には季語と依頼主様と私の思いを掛け合わせ、「天高」と切らせていただきました。

hakogaki for tanto and koshirae1

本来なら、私が作品をお納めに行くのですが、遠方からわざわざお越しくださいました。
私とご依頼主様は一度もお会いしたことも無く、出会ってから二年間を手紙とお電話だけでしたが、
そのお声と話し方からイメージは有りました。
ご依頼主様は、「私はあなたの顔もテレビで拝見しましたし、電話と手紙から良く解っています!」
と言われておられました。
初めてお会いする日、最寄りの駅にお迎えに上がりました。
学生や色々な人が改札口を通る中、お互いに迷う事無く目が合い、笑顔で初めての挨拶を交わしました。
思っていた通りの方で、素晴らしい出会いとなりました。

kiribako for tanto and koshirae2

私の鍛刀場で、今回の守り刀の話はもちろんの事、お昼の食事も挟み、
沢山のお話をする事が出来ました。
当日姫路に泊まられると聞き、播磨の味と酒を満喫されると伺いました。
私は予定があり、ご一緒できませんでしたので、次回お会いした時には一緒に楽しく酒を飲む約束をしました。
再会を楽しみにしています。

kiribako for tanto and koshirae3

後日、親族を招いてのお披露目会があり、その場からお電話を頂きました。
ご親族の皆様も大変喜んで下さっていると嬉しい報告を頂きました。

短刀 
銘 表 播磨國住人 國一作之
  裏 天高 平成二十三年吉日

研ぎ:津上修一氏


タグ: 短刀  銘切り  箱書き  桐箱  守り刀  お守り刀 
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