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鍛冶屋生活ONとOFF

-刀鍛冶のモダンライフを書き綴る-

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箱書き 

先日は、日が良いのでご依頼主様にお納めするため箱書きをしました。

sumi.jpg

十年以上前からお世話になっている方から頂きました。
ふとした事から書道の話になり、話が盛り上がりました。
「硯も墨も筆も紙も大切ですよ。心を落ち着かせ、墨を磨る時間も書く時も、今まで以上に楽しんで下さい。」と言う言葉と共に、端渓の板硯と古梅園の墨が送られて来ました。
初めて目にする硯と使ったことも無い墨に嬉しくて心が躍りました。

sumi2.jpg

この端渓の板硯を見た時には感激しましたが、冷静になると使い方が分からなくて困りました。
その理由は、普通の硯は磨った墨を溜める凹みが有るのですが(海と丘)、この硯には無く、
板硯の使い方が分からなかったからです。
板硯は、使うだけの墨を磨り使うそうです。
今回は水差しから水を少し多く差しすぎました。
箱書きですので、墨が少し濃くなるように磨りました。
墨の香を感じながら心を落ち着かせていきます。
何とも言えない深みのある墨の色です。

my calligraphic  signature on paulownia box stores my sword and koshirae1[

桐箱は、紙と違い筆がとても走りにくいです。
私は経験から、ゆっくりと筆を走らせて字を書きます。
良い墨は本当に色が違います。
まだまだ恥ずかしい字ですが、気持ち良く筆を持てました。

my calligraphic  signature on paulownia box stores my sword and koshirae2

多くの刀職者の協力を得て、一つの素晴らしい拵えが完成しました。
箱書きが終わり、最後は私の落款を押して完成です。
端渓板硯、墨、私の宝物が増えました。




タグ: 守り刀  箱書き 
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