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鍛冶屋生活ONとOFF

-刀鍛冶のモダンライフを書き綴る-

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この刀で勝負します 

研ぎ師井上聡さんに電話を入れて刀が出来たことを話しました。

電話で上手く伝えられないので、全身をマドアケ(刃文が見えるように研ぐこと)した後、急遽、翌日伺う事になりました。
部屋に通され、この冬苦しんで悩んで作った刀を見せました。

少し話した後に井上さんから「前に預かっていた高見君の刀も刃文が見える状態だけど見る?」
と言われ、見比べました。
時間がある時に仕上げようと仕上げ場に置いていた刀なのですが、
井上さんが、水害の見舞いに来てくれていた時に、「刃文が見える様に研いである方が、
お客さんが来たときに見せれるので良いから時間がある時に研いであげる。」言ってくれたので、井上さんに甘えて預けた刀でした。
二枚目の写真です。

engrave_the_groove.jpg

二振り研ぐ時間もありません。
樋を彫る時間も、もう一振り分しかありません。
悩みに悩んだ結果、ギリギリで成功した刀ではなく、井上さんに預けていた刀に決めました。
私の作刀人生において、こんなに焼き入れに苦しんだのは初めてで
苦しんで苦しんで作った刀を出品刀にしたいと言う強い思いもあったので
何とも複雑な気持ちでしたが、この冬、自分の持てる時間を全て費やしたこの努力は
決して無駄にはならないと自分を納得させました。
しかし、今後の課題は山積みです。


そして、今年はこの刀で勝負すると決めました。
家に帰り、早速樋彫りにかかりました。

pattern.jpg

樋を彫り終わり、次はハバキです。
ギリギリで出来た刀も良い所は良いですが、この刀も何か感じる所が多々有ります。
感じがいいです。
これで、私の手を離れますが、無事に仕上る事を祈るばかりです。
完成し、始めに鞘から刀を抜く一瞬が、今から思うだけで、とても緊張します。


タグ: 研ぎ師  井上聡  新作名刀展 
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