fc2ブログ

鍛冶屋生活ONとOFF

-刀鍛冶のモダンライフを書き綴る-

05 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 07

プロフィール

カレンダー

カテゴリー

最近の記事

最新コメント

アーカイブ

全記事表示リンク

リンク

RSS

検索

平成28年新作名刀展授賞式 

今日は、平成28年新作名刀展の授賞式に出席しました。
出品数も増え、前日の勉強会、授賞式とも華やかでした。


awarding ceremony 2016_1


平成29年9月に刀剣博物館は、墨田区両国に新築移転しますので、この刀剣博物館での授賞式と新作名刀展は今年で最後となります。
平成11年から毎年出品し、嬉しい思いも悔しい思い、多くの思い出が詰まったこの刀剣博物館。
感慨深いものを感じました。

私は特賞(寒山賞)を受賞しました。最高賞ではないものの、特賞を昨年に続き受賞できたことにほっとしております。
久しぶりに多くの方とお会いし、話す事が何よりも刺激になりました。心新たに頑張ろうと思います


awarding ceremony 2016_3


出品作品とともに。


awarding ceremony 2016_2


「無鑑査」にまた一歩近づきました。
この一年も作刀に打ち込みます。

来年さらに進化した私の作品を楽しみにしていて下さい!



平成28年新作名刀展の結果 

お知らせするのが遅くなりましたが、平成28年新作名刀展において(公益財団法人 日本美術刀剣保存協会主催)、昨年に引き続き寒山賞を受賞いたしました。
悔しい思いもありますが、特賞を受賞することができ、私の刀工人生の目標の一つである「無鑑査」にまた一歩近付けました。
まずは、授賞式前日の勉強会に参加し、しっかりと先生方からの評価をお聞きし、他の刀匠方の作品を拝見し、しっかりと勉強してきます。


the sword for the competition of 2016


なお、新作名刀展の結果につきましては、日本美術刀剣保存協会のウェブサイトより、pdfファイルをダウンロードしてご覧下さいませ。

ウェブサイト:http://www.touken.or.jp/

寒山賞受賞!-平成27年新作名刀展の結果- 

平成27年新作名刀展に於いて寒山賞を受賞しました。

平成22年に特賞を受賞以来、5年ぶりに特賞を受賞することが出来ました。
少しホッとし、肩の荷が下りたような気がします。
毎年、それなりの課題を克服し前に進んできましたが、思うような結果が出ませんでした。
何事も試練だと思い、腐らずに頑張ってきました。

4月28日、東京代々木にある刀剣博物館に於いて、授賞式がありました。
毎年出品者も増え、活気が出てきました。
懐かしい顔や、久しぶりの人たちとお互いの健闘を称え合いました。
東京では疲れてしまい、ホテルで休んでしまいました。
みんなとゆっくりと飲むことが出来なかったのが残念でした!

コンクールの結果につきましては、下記URLをクリックしてご覧下さい。
(公益財団法人日本美術刀剣保存協会のウェブサイトより)
http://www.touken.or.jp/museum/index.html

in front of my awarded cometition sword

今年の出品刀は備前伝の一文字を念頭に作刀しました。
研ぎ師の井上聡さんの差し込み研ぎです。
今までのように焼き刃に高低をつけ、刃取りで研ぐと、確かに勢いがあるように見えるのですが、
自然な感じの焼き刃には差し込み研ぎのほうが感じが良いといわれましたので、井上さんに託しました。
研ぎ上がった刀は「お風呂上りみたいね!」と妻が言いました。(笑)
私は姿、地金、刃文を時間をかけて眺めました。
しっとりとした深さのある出来だと感じました。
物打ち辺りの刃文が雷のような処がありとても面白いので、季語に春雷と決めました。

Syunrai as the competition sword 2015

今回で5回目の特賞となりましたが、今までで一番嬉しい事が一つあります。
井上さんと出会い一緒に切磋琢磨しながら11年になりました。
今回研ぎあがった刀の話の中で、
その井上さんが初めて「僕が高見君の刀を欲しいんだけど!」と言ってくれたことです。
笑われるかもしれませんが、すごくうれしい。

まだまだ体調は万全ではありませんが、少しずつ仕事量を増やしながら
心新たに、頑張っていこうと思います。

書き終えた後、私の文章を読んだ6年生になる娘に、「パパ、こうゆうの『ました作文』て言うんだよ!」と笑われました。(笑)
あまりにも文才がなくてごめんなさい。

長さ: 79.8 cm

研ぎ:井上聡氏
鞘:森井敦夫氏
ハバキ:中田晃司氏
撮影:Kei NAKAMURA, Spare Time Studio


対談企画「鉄の晶(きらめき)~播磨の職人魂~」のお知らせ 

2014年7月5日(土)、「鉄の晶(きらめき)~播磨の職人魂~」として、“神の手”と称される三浦技研の会長 三浦勝弘氏と私の対談をさせていただく運びとなりました。

昨年の夏、三浦氏と私のコラボレーションによるアイアンが完成したことにつきまして、こちらのブログでも紹介させていただきました。
三浦氏は、私が心から尊敬する職人です。
分野こそ違いますが、ものづくりにおける思いは同じです。

兵庫県中播磨県民センターの方々のご協力のもと、改めて三浦氏と製作した日々を振り返りながら対談させていただく事を光栄に思います。
自然体で、様々なお話ができればと考えております。


flyer of collaboration talk1



flyer of collaboration talk2


お申込み方法等につきましては、兵庫県のウェブサイトよりアクセス下さい。↓
http://web.pref.hyogo.jp/chk12/tetunokirameki.html

また、昨年投稿しました三浦氏とのコラボレーションアイアンについての記事は下記URLをクリック下さい。
http://kuniichitakami.blog68.fc2.com/blog-entry-404.html

皆様のお越しを心よりお待ちしております。



春山如笑 

こちらの桜も少しずつ散り始めました。
散る桜も趣がありますが、私は寂しさも感じます。

今日は、平成24年 新作名刀展の出品刀を紹介させていただきます。
この年の出品刀は、研ぎ上がりを見た瞬間、春の山が浮かびました。

私が鍛刀場を構える佐用町は、小さな山々があり、四季折々の季節の色を見せてくれます。
春は、芽吹き始めた木々の合間に、山桜がぽつりぽつりと咲き、深緑、黄緑、桃色など可愛らしい色合いで山を飾ります。

その景色は、穏やかでまるで春山が笑っているかの様です。

茎に刻む季語は、迷わず「春山如笑」を選びました。

the competiton sword for 2012_syunzanjyosyo

都会には、刺激になるものが多くあり心惹かれる事もあります。
しかし、私の住む町にも、何物にも代えがたい自然美があります。
作品にも、自然から多くのインスピレーションを得て、刀身に表現したいですね。

研ぎ:井上聡氏
白銀師:中田晃司氏
鞘師:森井敦央氏
撮影:Kei NAKAMURA for Spare Time Studio

長さ:81.8 糎
反り:3.2 糎